『未成年』なんていらない
「俺は全然大丈夫だよ。本当なら家まで送ってやりたいんだが…この後ちょっと用事あってな…ごめんな。」

夏休みなのに用事…?残業とか…?

先生…用事ってなんですか…?

もしかして…
彼女と会うとか…?

頭の中に一瞬よぎった嫌な考えを、ひなりはすぐに打ち消した。

「い、いえ!雷も雨もやんでるし、もう大丈夫です!」

「そっか。じゃあ…」

ガラッ

会話の途中で、何者かが理科室の戸を開けた。
生活指導の鬼丸だった。
こんな時間まで残っていて怒られるのかと、ひなりはぎょっとした。
が、
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