『未成年』なんていらない

「閨川先生遅いよー！白川先生車でスタンバイしてんだよ！」

鬼丸はひなりには目もくれず、閨川に駄々をこねるような口調で言った。

いつもは鬼の形相で生徒達を監視している鬼丸のそんな一面に、ひなりは驚き、固まってしまった。

「あ、すいません。すぐ行くんで。…じゃあ成瀬。気をつけてな。」

「は、はい。ありがとうございました。」

ひなりは閨川に頭を下げると、理科室を出た。
しかし、ひなりが理科室を出てすぐ、理科室から鬼丸の大きな声が聞こえてきた。

「白川先生はまだ二十代前半だけど俺たちはもうアラサーだし…閨川先生もそろそろ相手見つけないとな！

今日の合コンで！！」