『未成年』なんていらない
「成瀬、俺の事教師として認めてくれてるのは嬉しいよ。ありがとう。でも、俺そもそも鬼丸先生たちに誘われただけで合コンなんか興味ないしましてや結婚して教師辞めるなんてこと無いから。成瀬たちのこと卒業までちゃんと見届けるからな?」

どうやら、閨川にはひなりの言った『好き』が、『教師として』好きと言うふうにしか解釈できなかったらしい。
閨川が合コンに興味がないというのは良かったが、ひなりの想いは届かなかったようだ。

閨川が他の女性にとられるわけじゃないと分かったならもうそれでいいのではないかと一瞬思った。
だが、ひなりの気持ちはもう止められなかった。

「先生っ…そうじゃないんです!違うんですっ…私は…教師としてはもちろん先生のこと大好きですっ…でもそれより…」

と、言いかけたひなりの唇を、長い人差し指が塞いだ。
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