『未成年』なんていらない
「れいま先生、私が『高校生』だからですか?」

「いや…。」

ひなりの言葉に返事をしないことに罪悪感を感じたのか、閨川は短く答えた。

「私が『未成年』じゃなかったら、先生は私を見てくれますか?」

「来るな。」

実験の手は止めず、近付こうとするひなりの方を見ずに手短に注意を促す閨川。しかしひなりは閨川のその言葉に従うことなどせず、再び閨川に歩み寄った。

「先生が私を見てくれないなら私っ…」

「成瀬…」

閨川が『危ないから』と言おうとした刹那、ひなりが閨川を後ろから抱きしめた。



「『未成年』なんていらないよ…」
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