『未成年』なんていらない
「歌那美って…呼んでください」

縋るように玲眞を見つめる音咲の瞳。暫くの沈黙の後、状況についていけない玲眞をよそに、音咲はフフフと笑った。

「ねえ、先輩。覚えてますか?中学の時…体育祭で怪我をした私の足、手当てしてくれましたよね?」

いきなり中学時代の話をされてどういうことかと思ったが、玲眞は取り敢えず「ああー。」と相槌を打った。

「保健委員やってた時ですね多分。結構沢山の人手当てして大変でしたけど…音咲先生もいたんですね。」

思い出しながら玲眞は言った。
すると、音咲は強い眼差しを玲眞に向けた。
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