『未成年』なんていらない
「違うわよ!」

真っ直ぐにレムを見つめるその瞳はどこか哀しげで、元いじめっ子の目には見えなかった。

「…確かに私は成瀬をいじめた…でも今は、もう一度いじめをしようだなんて思ってない!…レム、私考えたの。どうすればみんな救われるのか。」

いきなり意味のわからない話を始めた荒野を、レムはじっと見つめた。

「私は成瀬をいじめることはもうしない。でも、玲眞先生をあいつに盗られるのは絶対嫌。だからレム、先生を諦めるようにアンタが成瀬を説得して欲しいの。」

必死に頼み込む荒野の姿は痛々しく惨めだった。
しかし、そんな荒野に同情することなくレムは突っぱねた。
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