『未成年』なんていらない

救いの手

ドン

廊下を走っていると、曲がり角で誰かにぶつかった。栄華も相手も尻餅をついた。

「いったたた……もう〜だめでしょ?廊下走っちゃぁ〜……荒野さん?」

ぶつかった相手は副担任の音咲だった。
心配そうに栄華を見つめている。

「先生すみません…私急いでるんで」

立ち上がろうとしたが、うまく立てなかった。
こけた時に足首をひねったようだ。

「ちょっと、大丈夫?足、赤くなってるよ?保健室行く?」

うるさいなぁこのぶりっ子教師が…

そう思いながらも音咲の手を借りて立ち上がる栄華。
< 27 / 172 >

この作品をシェア

pagetop