『未成年』なんていらない
「はっ、す、すみません!邪魔ですよねごめんなさいあの失礼しまふっ…」

やばい…
先生のことずっと見てたのバレた…?!

ひなりは恥ずかしくなって慌てて踵を返し、すぐにこの場を立ち去ろうと走った。
しかし、理科室の床は滑りやすいので、ひなりは足をひねった。

「あ、危ない…!」

ドサッ



「っ………え?!」

目を開けてすぐ、ひなりは驚きの声をあげた。
閨川の顔が至近距離にあったからだ。
足をひねって転びそうになった自分を抱きとめてくれたらしい。

「せ…先生…?」

「全く…俺の瞬発力が無かったら転んでいたぞ?」

微笑みながらそう言って、閨川はひなりを立たせてくれた。
< 31 / 172 >

この作品をシェア

pagetop