『未成年』なんていらない
「…今日、水神が授業中倒れて、玲眞先生が保健室に連れて行ったんですけど…お姫様抱っこですよ?!どう思います?水神、貧血とか言ってたけど絶対嘘ですよね?きっとあいつも先生のこと…」

栄華は俯いて唇を噛んだ。

「落ち着いて荒野さん。あなたの気持ち良く分かるわ。本当に閨川先生のことが好きなのね。前にも言ったけど、人を好きになるって凄く素敵なことよ。」

栄華のそばに寄り、頭を撫でる音咲。
栄華は、音咲のような姉がいたらいいのにと思ってしまった。

「歌那美先生…私…どうすればいいの?玲眞先生を水神とか、ましてや成瀬になんか盗られたくない!玲眞先生には私だけ見てて欲しいの!他の奴に盗られるくらいなら私死んでやる…」

「荒野さん!」
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