『未成年』なんていらない
「先生…」

気まずい空気をなんとか打ち破りたくて、ひなりは呼びかけた。
そして、頭の中で話題を探して迷った挙句に、あることを言おうと決めた。

「あの…ずっと言いたかったことがあるんです…」

「…どうした?」

「今回もですけど…

幼稚園の時も…私に優しくしてくれましたよね…?」

鼓動がドクドクとはやくなる。
ひなりは、自分では分からないが、顔が真っ赤になっている感じがした。



「閨川せんせ…

れいませんせい…!
私は、れいませんせいが中学生の時、職業体験で来ていた幼稚園の…
泣き虫な なるせひなりですっっ…!」



…やっとだ…やっと言えた…


ひなりは嬉しくなった。
< 79 / 172 >

この作品をシェア

pagetop