『未成年』なんていらない
「先生。お話と言うのは…」
進級したての頃は、緊張しすぎてあまり閨川と話せなかったひなりだったが、今では普通に会話出来るようにはなり、他にも授業内容の質問をしたりと少し積極的になることが出来た。
ひなりの問いに閨川は、実はな…と、少し気まずそうな顔をして一枚の紙を差し出した。
「成瀬、こんな言い方をするのは申し訳ないんだが…成瀬の化学の成績があまりにも酷い。」
「えっ…?!」
閨川に見せられた紙には、テストの点と平常点を足した化学のトータルの成績が書かれていた。