First story
それにしても“普通以下”とか、失礼過ぎじゃない?




「なんで澪が普通以下なの!」



「え、だって、ブスじゃん?」




悪びれもせずにヘラっと言い放ったタクミの肩にパンチをいれると あっとよろける。



それを見て大げさに男子たちが笑うと、タクミは少し怒ったように澪に背を向けた。




前田 和弘(かずひろ)、前田 流衣斗(るいと)。タクミとは春休みに仲良くなったらしい。


2人とも同じ名字だけど、実は赤の他人なんだと教えてくれた。




「和弘ってなげーし、カズでいいよ。」


サラサラの黒髪が特徴のカズは、澪が今まで会った人の中で一番と言っていいほどのイケメンだった。
かっこいい……そう思わずにはいられない、そんな容姿をしてたんだ。




「カズさ、モテるでしょ?」


「うん、そりゃーね。あ、もしかして澪も惚れた? 俺いま彼女いねぇから 付き合ってもいーよ」


「断るわ! 確かに顔はタイプだけど、別にカズに恋愛感情があるわけじゃないし」




澪って案外まともな人間だったんだ、とカズは鼻で笑った。





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