アイコトバ

春高バレー予選の前日
軽くラリーをして解散だったの

先輩からメールが来て
“部室前で待ってる”

とだけ書かれてた

走って部室前に向かうと
先輩が手招きして男バレの部室に入れてくれた。

女バレの部室と違う雰囲気が一気に私の心臓を高鳴らせる。

ハンガーにかけられた背番号1キャプテンマークのついた先輩のユニフォームからは甘い香りがして
酔いそうになった

心臓がうるさいの

どうしよう、気づかれちゃう!

「.....春高予選か〜」

「はい?」

「今までただただバレーのことだけしか考えてなかったからな。ごめんな、 俺明日が最後の大会だけど、全力で闘う!柚瑠がいてくれるからここまでこれた。ありがとう!」


「...照...いいえ〜そんな、私も先輩が一緒に練習してくれたからバレーを本気でできるんですよ!」

健斗先輩から本気の気持ちが伝わってきた。

本当にバレーが大好きで、バレー馬鹿っていうくらいで、そんな先輩の彼女って凄い事だよ。

「明日!予選頑張ろうな!」

「はい!」

「よっしゃ!帰ろうぜ!明日も早いし柚瑠も休めよ〜!」

「えぇ〜やだ〜www」

「こら!」

コツン!
先輩のおでこが私のおでこに触れる。
「言う事聞かないと食べちゃうぞ!」

「!?!?!?!?!?!?!?」

予想外の言葉に思考が回らなくなった。

「嘘だよ!ごめんごめんw」

「もう!驚かせないでください!心臓が痛いです!」

プククって笑う先輩の顔が見れなくなって

赤面した顔を両手で隠して先輩と部室を後にした。
< 16 / 38 >

この作品をシェア

pagetop