陽空〜甘酸っぱい恋の欠片見つけました~
第二章

文月~照~

お互いの気持ちをなんとなく知ることが出来た。朔は前より優しくなった。

「芽衣ー?俺行くぞ?」

「ちょっと待って!」


今日は、あの日に約束した夏祭りの日だ。朔と行きたくて新調した浴衣。

「どう、かな?」

「あ、うん。いいんじゃね?」


少し顔が赤くなったの見てすごく嬉しくなった照れたとこ初めて見たかも。小さな夏祭りだけど私にとっては子供の時から朔と行くのを毎年楽しみにしてたんだ。今年は久しぶりに浴衣で、夏祭り。


夏祭りに行ってもお互いに照れてしまって全く話せない。いつもならガヤガヤと話ができるのにつまんないとか思ってると朔は不意に私の手を握って

「今年はなんか人多いし、はぐれないようにこのままにしとけ」


優しいな。朔は毎年こうなんだよね、小さい頃に私が迷子になったことがあってそれから毎年手を繋いでくれる同級生とか学校の人がいたら離すけど。優しさだから甘えてる

「あー!生島くん!」

すっと、手を離そうと手を引く…でも離れない手。朔が強く握ってくれてるから離れられない気づかれる前に離したい、離して…
思い切り、引くとすっと離れた。同じ学年の女子だった朔のこと好きなのだろうかオシャレな格好を見せ付けたいのかわざと近づいたり仕草したり。その子は私が見えていないのかわざと無視しているのか一緒に回ろうと朔に持ちかけてた


「生島くん、向こうにね彩とか咲とかいるんだよ?一緒に行かない?」

「それは、俺が入ったら邪魔でしょ」

どうしても入れたいのか、朔に聞き続ける女子。そんなに私の事消したいのか、見えてないのか更に続けてた

「えー?ダメなのー?」

「見てわかんないの?俺は今芽衣といるんだけど。」


しびれを切らして、朔が私の肩を抱き少し怒った口調で言った。私はこれからもこうやって嫌な思いはし続けるのかな。
去っていく、女子の姿を見た朔が俺が芽衣とデートしてんのどう考えても見えてるよななんでそうなるかな。って。
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