陽空〜甘酸っぱい恋の欠片見つけました~
「驚いた。生島と回ってたんじゃ」


「そのつもりだったけど、無理だった」

「笑うな、ムリして。」

佐野くんは真剣な顔で言う私の事どうして気にするの?私にはわからないよ佐野くんはどうして助けようと声をかけてくるの?

「原田は、生島が好きか?」


「え?」

「好きかって聞いてんの。好きなのか?」

コクっと頷く。そっかって笑って私の方を見ながら辛くないか、それで。と言ってきた。近づいて抱きしめてきた。泣いてんじゃんって

「だめだよ、佐野くんの制服濡れちゃ、う」

「いいよ。乾けば大丈夫だし…生島はお前を幸せに出来る気がしない。こんなに泣かせて好きなやつを泣かせる男は有り得ねぇ」

「佐野くん?」

抱きしめてた力を緩めて、私の方をちゃんと見てゆっくりと切り出した

「俺は、原田が好きだよ」

告白…?佐野くんは言うつもりは全くなかった。でも、原田が辛そうに泣いてるの見たら黙っていられなかった。って言ってくれて、生島じゃなくて俺にしない?って言われた

「すぐに答えとか無理だろうしいいよ。俺は待つから。」

「ち、違うの佐野くん…あのね」


「俺に気がないのもわかってるから。原田の中で生島が嫌になった時でいい」

そんな日は来ないよ、言いたかったけど口には出せずにいた。佐野くんは泣き止むまでここに居るからって隣にいてくれる…

「男に気をつけろって言わなかったっけ俺」

「え?」
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