陽空〜甘酸っぱい恋の欠片見つけました~

師走〜伝〜

「寒いねー…さすが12月」

「お前、去年してたマフラーは?」

「少し汚れちゃったんだよね。今はなしで頑張るよ。」

「そっか。俺のしとけば?風邪ひかれても困るし。ほら、しとけ」

12月、気温がぐっと下がって冷え込むのは家にいてもわかるし通学なんてほんといや。でも朔が貸してくれたしそういう意味では助かった。少しでも温かくできるならそれが一番だって思ってるから。

「冬休みまであともう少しだよね」

「今年さ、クリスマスとか……空けとけ、よ?ほら、一緒に……まぁわかれ。」

「え?あ、うん……わかった」

朔の口から聞こえた、クリスマスの言葉。一緒に過ごすことを言ってくれたのが凄く嬉しい。今から待ち遠しいよ……

「イヴは、瑠衣くんたちとも……出かけたいな」


「あ、あいつらか。いいよ、お前が好きなヤツらと一緒にいられるならそれは俺も嬉しい。ただ、クリスマス当日は…俺にお前の時間くれよ?」

……顔が熱い。まったく、赤くなるのわかって言うんだからほんと、ひどいけどカッコよすぎだよ!

「芽衣と、一緒にいてぇから。いいだろ?」

強引なところもある、それが朔。分かってるのにいざとなると恥ずかしくなってくる朔、ありがと。楽しみにしてるからね。
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