陽空〜甘酸っぱい恋の欠片見つけました~

水無月~涙~

雨が続く。
気分も下がるくらい土砂降り。そんな毎日の中、私は朔の試合を見てた。試合に出てる姿はやっぱりかっこよくてどんどん好きになる



「朔ー!頑張れー!」



応援の声なんて届いてないとは思うけど精一杯声を出して応援した。試合終わりに、朔に会うために部員のいるところに足を運んだ。でも朔はいなくて、どこ見てもいなくて。



「あれ、原田さん?」



「あ、皆田くん!ねぇ朔見なかった?」


「え?生島?多分、後輩女子か先輩女子のとこだと思うけど。何、今日も帰んの?」



「まぁ、一応。そのつもりで来たんだけどいないならいいや、今日の試合お疲れ様また明日、学校でね」


「お前らって付き合ってんの?」



唐突に言われた。皆田くんはみんなの思ってることを代弁するかのように聞いてきた。付き合ってる、か。そうだったら私も嬉しいんだけどさ、違うよ。朔は別に私なんて何とも思ってないはず、そうだよ何も何とも思ってないんだ


「やだなぁ、ただの幼馴染だって。今更一人で帰るとかもなんか違和感でさ習慣づいたものって思ってくれたらいいよ」


自分で言ってて、悲しくなる。さっさと帰ろ早く寝て明日になればまた隣には朔がいる日常がやってくるはず。彼氏じゃないんだから朔がなにしようと、私には何も言う権利なんかない。


「そっか。まぁそれならいいか言わなくて」



「え?何か知ってるの?」



「先輩に告白されてたよ生島。」



聞きたくない、そんな話。苦笑いだったかなそっか、それだけ言って私は走って逃げるように帰ってしまった。家に着いてベッドに飛び込むように横になる。私が好きといえばそれで終わるのに、それを言ったら幼馴染という特権すら使えずに離れていく気がして言えない。朔、どうしたらいい?私もうわかんないよ
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