夏のソラの雪
二限目の授業真っ只中の校舎は静かだ。




階段を一段一段上がりながら、廊下まで響いてる教師の声はまるで他人事。




春から夏に変わっていくこの時期の空気は、昼寝には持って来いだ。




鍵の壊れたちょっと重たいドアは、ノブを三回叩いてから引っ張れば簡単に開く。





何もない空っぽの屋上に仰向けになって寝そべった。





真っ青な空にふわふわの雲が流れてる。




そんな気持ち良い空を見上げながら、考えること。




昨日の娘はまあまあだったなぁ。




えっと……、




……名前何だっけ?




多分思い出せない名前をゆっくり考えながら、




俺の意識は雲と一緒に空に飛んでった。




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