夏のソラの雪
何度もキスして、





少し盛り上がている傷跡を指先で撫でた。




他に真雪にどう伝えれば良いのか俺にはわからない。





精一杯の気持ちを込め、最後にふわっと唇を寄せたところで、





四つ這いの俺の体に真雪が勢い良く身を寄せてきた。





真雪の背中を抱き締め、髪を指先に絡ませる。




「愛与……」




胸元から見上げてる真雪の瞳は潤んでいて、




理由のわからない俺は、また傷付けてしまったのかと不安を感じた。





困ったように目を伏せれば、口先に柔らかい感触が触れる。





さっきよりずっと近付いた真雪がそこに居て、




「ありがと……愛与」




もう一度俺の唇に触れた。





ベッドの上で女に跨ってんのに、




ヤリたいって思わないのは初めてだ。




ホントは、ヤリたい。




真雪を自分のモノにしたいって欲求は、自分の予想よりずっと強い。





それよりも、





真雪が大切で、愛しくて、





ずっと繋がっときたいっていう願望の方が勝ってる。


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