夏のソラの雪
カラダの繋がりじゃない。




欲しいのは、真雪っていう女の子そのもの。





自分が真雪のことを考えてるみたいに、




真雪も俺のことを考えてて欲しい。





俺だけを見て欲しい。




俺だけに触れて、俺だけを感じて欲しい。




「……今日は終わり」



「へっ? ……どうして?」





服を着せる俺に真雪が不安そうに訴える。




「おまえ病み上がりだろ? それに……」




向かい合っていた真雪をふわりと引き寄せる。




「昨日のこと、謝りたかったから……真剣に」




だから、あのまんまヤッちゃうのは駄目だと思った。





言いながら自分で恥ずかしくなる。




俺ってこんなに、幼稚な話し方しか出来ないんだな……。





決まりが悪くて、思わず眉を顰める。




そんな俺に真雪は小さくはにかんだ。




小さくはにかんで、




「次。次は全部しよーねっ?」




俺の小指に自分の小指を絡めた。




「ガキくせぇ」


「いーのっ。約束」




顔を見合わせてどちらともなく笑い出した。
< 27 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop