夏のソラの雪
幸せに満たされる
「どういう風の吹き回し?」




「……ただの気紛れ」




久々に朝練に参加する俺に、泰希(たいき)がにっこりと笑いながら声をかけてきた。




泰希は部活が同じで、一年ん時から連んるけど……俺と違って素行も良い真面目な奴。




「気紛れでも何でも、おまえが居てくれるにこしたこと無いよ」




爽やかに笑う泰希に、小さく笑い返した。




どうせなら……気紛れの方が俺らしい。




実際は、




昨日の別れ際に真雪から、




「愛与のサッカーしてる姿見たいっ」




なんてお願いをされた。




きっと、頷いたら真雪は喜ぶんだろな……。



だから、




嬉しそうに鼻の付け根をくしゅっとさせた真雪が見たくて、




渋々頷いた俺……。




なんつーか……、






……無様過ぎて絶対言えない。




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