夏のソラの雪
少し困ったような表情を浮かべて、




「愛与……約束、覚えてる?」




呟いた真雪は、頬を赤らめている。




照れか? 期待か?




「覚えてるに決まってんだろっ」




何でも無いみたいに、すかした顔をして答えてみせた。




それを窺うように正面から見た後、




「……愛与のえっちぃ」




イタズラっぽく真雪は笑った。





今までの行いがアレなだけに……笑えない。





「……おまえだけ」



「えっ?」




きょとんとしたマヌケ面に顔を寄せて、



「おまえだけしか抱きたくない」




両腕で抱き寄せた。




都合の良いこと言ってるよな?




それは、わかってる。




でも、




他の言葉なんて、俺には思い付かなかった。



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