夏のソラの雪
「通学路で気分悪くなったのを助けてくれたのがきっかけで付き合い始めて……」




聞けば聞くほど、自分が真雪に釣り合わない人間だって……、



真雪を遊び相手の一人としか見てなかった過去の自分に、




苛立ちさえ感じてしまう自分が居る。




「でも……傷見たら泰希……びっくりしちゃって……。その反応がね、ショックだった」




さっきから真雪の瞳は俺から離れない。




俺を見つめながら言葉を続けていく真雪は、




俺に何って言って欲しいんだ?




「そのまんま泰希とは自然消滅。……留年も決まって、落ち込んでるときに愛与が居た」




泰希が忘れられずに、放課後の教室から眺めていたサッカー部に俺が居た。





「茶髪な上に人一倍目立つプレーしてるのが気持ち良さそうで……憧れてた。何でも思い通りにいくって感じ」





ここで笑いかける真雪の頬に、少しだけ赤みが差した。





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