夏のソラの雪
真雪のキモチ
しつこい風邪をこじらせて入院したせいで、単位が足りなかった。
二回目の三年生は、不足単位を習得するだけで良いから楽チン。
周りは知らない元後輩たちばっかりだけど、
体のことを心配した学校側が親と相談して、妹の知海とクラスメートになった。
だから、心細くはないかな。
それに、
休み時間じゃないのに屋上に行っても怒られない。
……居ても居なくても良い存在。
病弱だから気を遣ってくれる周りの優しさは……腫れ物を触るようなもの。
周りに気を遣わせて、
授業サボっても怒られない、
こんな特別扱いばっかり……。
寂しかった。
一人じゃ何も出来ない自分が嫌で、
屋上に逃げるばっかり……。
ここから見下ろすグラウンドで、
やたら目立つ茶髪を弾ませながら、
ボールを自分の思い通りに駆け回ってる男の子。
「愛与っ!! 顔洗って出直して来い!!」
愛与。
知ってるのは名前と顔と、
プレイボーイな噂、そして……、
サッカーが上手なこと。
二回目の三年生は、不足単位を習得するだけで良いから楽チン。
周りは知らない元後輩たちばっかりだけど、
体のことを心配した学校側が親と相談して、妹の知海とクラスメートになった。
だから、心細くはないかな。
それに、
休み時間じゃないのに屋上に行っても怒られない。
……居ても居なくても良い存在。
病弱だから気を遣ってくれる周りの優しさは……腫れ物を触るようなもの。
周りに気を遣わせて、
授業サボっても怒られない、
こんな特別扱いばっかり……。
寂しかった。
一人じゃ何も出来ない自分が嫌で、
屋上に逃げるばっかり……。
ここから見下ろすグラウンドで、
やたら目立つ茶髪を弾ませながら、
ボールを自分の思い通りに駆け回ってる男の子。
「愛与っ!! 顔洗って出直して来い!!」
愛与。
知ってるのは名前と顔と、
プレイボーイな噂、そして……、
サッカーが上手なこと。