夏のソラの雪
違う味
屋上の彼女、真雪 (ましろ)は、休み時間や放課後をしょっちゅう屋上で過ごしているらしい。




「部活は?」





放課後だって言うのに、眼下で気合いの入った声を上げて練習してるサッカー部の輪を隣で見下ろす俺。




そんな俺を真雪は不思議そうに隣から見上げている。





「ん……? 何かやる気出ないし……」




柵に腕を掛けてもたれながら、蟻みたいにチョロチョロ動くチームメイトを眺めた。




なんだか一生懸命だよなぁ~アイツら。




必死にボールを追い回すアイツらを見てたら、そこに自分が居てる方が不思議に思えてくる。





どうせならこのまんま辞めちまおっかなぁ~。




頭に浮かんだそれが口をついて出そうになった時、





「あの中に居る愛与はね、スッゴく目立つんだよ?」




柔らかい口調で囁いた真雪が隣を見上げた。





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