夏のソラの雪
知恵熱だったのかもしれない。




知海は、




「屋上なんかで肌を晒すからよっ」




って、少し怒ってた。




問い詰められた知海に、上手に成り行きを説明出来なかったから……きっと知海は愛与を悪く思ってる。





怒らないでよ……。
わたしが悪いんだもん。





「愛与に変なこと言わないでねっ」




家を出る知海に釘を刺したけど……すごい不満そうな顔してた。





多分、大丈夫。




知海は約束絶対守ってくれるから。





とにかく今は、早く熱を下げてしまおう。




そして、




学校に行ったら、すぐに愛与に会いに行こう。





愛与に会って謝りたい。





無碍に傷付けてしまったこと。





水色のベッドに体を横たえて目を閉じた。





次に目覚めたとき、




熱の下がった体を喜ばせたのは、





思いがけず掛かってきた愛与からの電話だった。
< 51 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop