夏のソラの雪
「……会いに行っていい?」




愛与からの申し出に、わたしの胸は久しぶりに高鳴っていた。





会いたい。





わたしは愛与に会えるのが嬉しくて仕方なかった。




それに、





愛与がわざわざ会いに来てくれる……。





嬉しくて、熱があったことなんてすっかり忘れてしまった。




愛与を待っている間に身支度を整える。




顔を洗う為に立った洗面台の鏡に、いつも以上に青白い顔をした自分の顔があった。





こんな顔見たら、愛与心配しちゃうかな?




心配はかけたくないけど……、




心配してもらえるのは嬉しい……。





しばらくして、静かな家にチャイムの音が響いた。





小走りに向かった玄関のドアを開けたら、




「愛与っ!」





ちょっと驚いた顔した愛与が立ってた。




今だけは、他の女の子を忘れて……?






わたしだけの愛与で居て欲しいな……。





わたしの頬に触れた愛与に唇を奪われながら、





昨日、愛与を試したことなんて忘れて……しまいそうになっていた。

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