夏のソラの雪
いっぱいキスされた後、





気がつけばわたしは愛与の腕にギュッと抱き締められていた。




なんだか、大切なものを閉じ込めてるみたいに感じるのは……自惚れかな?





だって、




愛与のキスはあまりに熱っぽくて……まるで、




わたしを求めてくれてるみたいだったから……。




「……愛与」




ホントにわたしを求めてくれてるなら、わたしは……昨日のことを謝らなきゃいけない。




不安げに見上げた愛与に、




「愛与……昨日の」




ごめんねを口にしようとしたら、躊躇して俯いてしまう。




意気地なしだ……。




「……今日は俺が誘ってんだけど、受ける?」




真っ直ぐ見つめられた愛与の眼差しに、胸が壊れたみたいにドキドキしてる。




試してごめん、なんて言ったら……愛与は怒って帰っちゃうかも……。




わたしの胸の傷を見ても抱いてくれるって言ってくれた愛与に、





何も言わずに頷いた、狡いわたし……。
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