夏のソラの雪
いつもはとにかく、ただ行為的な俺の仕草が、




今日はやけに柔らかく、丁寧だったらしい。




「大切な人が居る男の抱き方だねっ。あれは」




自分の彼氏がそうだと、遊び相手にノロケてる。




俺の抱き方が変わったなんて……嘘かホントか……。





タバコをもみ消し、服を羽織る先輩をぼんやり見つめながら思う。





なんで俺は、無意識に胸元に傷跡を探してしまうんだ……。




真雪ほど白くはないが、綺麗な肌のどこにも傷一つ無い。





これを当たり前に思ってた日常が、





俺に戻ってくれるんだろうか……。





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