夏のソラの雪
いつもよりずっと熱い体に、




大丈夫って暗示をかけてみたけどやっぱりダメみたい……。




気がつけば、フローリングの床に頬が触れていた。




こんなところで倒れてる場合じゃないのっ。



わたしは、愛与に会わなきゃいけないのにっ!




愛与にもう一度謝らなきゃいけないのにっ!




「真雪っ!?」




慌てて駆け寄ってきた知海に抱き起こされた体は、




……動いてくれない。




お母さんの携帯に急いで電話する知海。



……ダメッ!




わたし病院になんか行きたくないっ!




愛与にごめんねって言ってないのに……。




愛与に会わなきゃっ。




「動いて……動いてっ!」




聞こえた自分の声は驚く程か細くて、


情けない程弱々しかった……。





必死に体に力を込めてみるけど、指先すらまともに動かせない……。




気がつけば、




「屋上に……行かせてよ……お願い……」




わたしは自分の体に、

泣きながら懇願していた……。



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