夏のソラの雪
学校からの帰り道。
知海に会ってからずっと、真雪のことが頭から離れない。
知海に食い下がって、頭下げて真雪に会わせて貰えるように頼めば……良かったのか?
胸がモヤモヤして堪らない。
ばぁちゃんを送り届ける為に、両親が出掛けて空っぽの家は真っ暗で、
何となく入りたくない……。
また真雪に会わずに、一日が終わってしまう……。
それが怖い。
握り締めていた手のひらをパッと開く。
やっぱり俺の手のひらは、大切な人を守ることなんて出来ないのか……。
グッと握り締めた拳を、玄関に思い切り叩き付けた。
何度も何度も……行き場の無い苛立ちをぶつけて、血が滲んでる。
でも、まだ足りない……。
手を振り払った真雪に与えた痛みは……きっと、もっと酷かった……。
ヤケになって玄関を殴り続けていた背中が、
「愛与っ!」
ふわっと温かくなった……。
胸元に回ってきた細くて白い腕にそっと触れ、名前を呼んだ声は、
「……真、雪?」
驚く程、震えていた……。
知海に会ってからずっと、真雪のことが頭から離れない。
知海に食い下がって、頭下げて真雪に会わせて貰えるように頼めば……良かったのか?
胸がモヤモヤして堪らない。
ばぁちゃんを送り届ける為に、両親が出掛けて空っぽの家は真っ暗で、
何となく入りたくない……。
また真雪に会わずに、一日が終わってしまう……。
それが怖い。
握り締めていた手のひらをパッと開く。
やっぱり俺の手のひらは、大切な人を守ることなんて出来ないのか……。
グッと握り締めた拳を、玄関に思い切り叩き付けた。
何度も何度も……行き場の無い苛立ちをぶつけて、血が滲んでる。
でも、まだ足りない……。
手を振り払った真雪に与えた痛みは……きっと、もっと酷かった……。
ヤケになって玄関を殴り続けていた背中が、
「愛与っ!」
ふわっと温かくなった……。
胸元に回ってきた細くて白い腕にそっと触れ、名前を呼んだ声は、
「……真、雪?」
驚く程、震えていた……。