夏のソラの雪
真雪の熱い額に自分の額を重ねた。




「俺……おまえが好きだ」




生まれて初めて告げた好きに、心臓がバカみたいに高鳴った。





ポロポロ涙を溢れさせてる真雪の手を取り、




赤く少し腫れた小指を絡めた。





「約束、絶対守るから」





ホントは、すぐに病院に連れて行くべきなのかもしれない。




でも、




どうしても、今じゃないといけない気がした……。





薄暗い部屋のベッドに寝かせた真雪に、





ゆっくり唇を重ねる。





もし俺の手のひらに愛なんて呼べるものがあるなら、





一生分のそれを真雪に与えてしまっていい。





全部全部無くなっていい。




だから、真雪だけ……。




真雪だけで良いから、俺に残して欲しい……。






俺は真雪に、





愛を与えられる唯一の人間でありたい……。





俺の名前に相応しい、





愛を与える人に……。
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