夏のソラの雪
初めて抱いた真雪の体は、脆く壊れそうに思えて、




体中から溢れ出してしまいそうな真雪への強い欲求とは反対に、




出来るだけの優しさを手のひらに込めた。




小さく途切れる苦しそうな息遣い。




太く鈍く光る傷跡から顔を上げ、真雪を窺い見れば、




満たされたように笑いかける顔があった。




これで全部、繋がったよな?




心も体も……。




やっと繋がり合ったんだ。





「ねぇ……。もう、わたし以外の女の子にこんなことしないで?」




妙に熱い真雪の肌を、すぐさまシャツでくるんだ。





上目に俺を見上げ、心細そうに身を寄せてきた真雪を、




シャツ越しにギュッと抱き締める。




そんなの当たり前……。




俺には真雪しか要らない。




力強く抱き締めた腕の中で、




「ふふっ。……ごめんね。嘘だよ」




真雪がクスクスと小さく笑った。




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