夏のソラの雪
「……なんで?」





自然と顔が強張り、声のトーンが下がる。




なんで、嘘だなんて言うんだ……?




険しく眉を顰めた俺から目を逸らした真雪が、小さく口を開く。




「だって……こんな約束ズルいんだもんっ。こんな約束したのに……わたしが居なくなったらっ」




唇で真雪の言葉を遮った。




真雪の続けようとした言葉、絶対に認めるワケにはいかない。




「そんなこと絶対言うな。バカ」




俯き、目を逸らしたままの真雪の視線を俺に向ける。




「愛与……」



「……んっ?」





鼻先が触れ合う距離で見つめ合った真雪の瞳は、




大きく揺れていた。




「好きになってくれてありがと」





涙を堪えているせいか、



絞り出すような細い声が、胸元に響いた。
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