夏のソラの雪
「真雪がアナタのこと、大切なのはわかった。……だから、お願いがある」





いつものキリッとした表情に戻った知海は、




言葉を探すかのように少し言い淀んだ後、




「真雪に、会わないで欲しいの」





俺の目を見据えて、キッパリと言い放った。





「……なんで?」





さっきまでと言ってることが随分違うじゃねぇか……。





真雪が俺と居られて嬉しそうにしてくれてたんなら、




俺はずっと、真雪の傍に居る。





「戻ってからすぐ……真雪、また倒れたんだよ」





苦々しい顔を向けた泰希が、こう言って俺の顔色を窺う。





驚きで声が出ない。




喉が詰まってしまったかのように、呼吸もぎこちなくなっていく。





「アナタを恨んでるワケじゃない。……けど、真雪はアナタが絡むと平気で無理しちゃう」




「だから……真雪の為に……近付くなって?」




重々しく頷いた知海。



泰希はもどかしそうに、下唇を軽く噛み締めていた。





やっと繋がり合えたのに……、





それが真雪の体に無理をさせてしまう。





やるせない……。
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