夏のソラの雪
堅く唇を結んで、瞼をギュッと閉じた。






昨日の真雪が頭の中に蘇ってくる。




やっと掴んだ真雪の手。





もう離したくないって思ってたのに……。




「一日……考えさせて」





それを離せば真雪は、元気になれる。





二人に背中を向け、重たい空気の漂う屋上を後にした。





手首で揺れるプロミスリング。




ずっと、一緒に居られますように……。





いつか交わした約束が、ここに込められている。





でも、




真雪を守るべき方法は、一緒に居ることじゃなかったらしい。






……ごめん、真雪。





俺、





約束守ってやれない……。





おまえを、





守りたいから……。
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