夏のソラの雪
「おまえと居て気付いたけど……やっぱさ、普通の女が良いんだよな」




「…………」




怖くて、真雪の顔を正面から見ることが出来ない。




俯いて黙り込んだ真雪の手が小さく震えていた。





「物足りないんだよ。おまえと居ても」




自分でもよく……こんなに嘘が出てくるもんだって感心してしまう。





「重たいよ、おまえ」




ホントは……、




……その重みさえ愛おしい。




重みも痛みも……、



真雪が愛おしいから感じるんだ……。




「……仕方ないね。こんな体だから……」




力無く真雪が笑う。




胸を掻きむしりたくなる衝動。




それに反して頷く重たい頭。



全部嘘だって叫んで、目の前の真雪を抱き締めたい。




でも、




「……じゃあな」




真雪を守るため。





この手で真雪の体を守る為には、





俺が近くに居たらダメなんだ……。




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