夏のソラの雪
慣れない雑用を無我夢中でこなし、



練習にくらいつき、




足りないものを自主トレで補っていく。






そうしてやっと掴んだ大会のレギュラー。




着々と勝ち進んでいく俺たちに、何件かの大学推薦が持ち上がったりもしていた。




その中に挙げられた俺の名前は、





決勝戦後半五分。





相手選手の脚に阻まれた俺の膝が悲鳴をあげ、





白紙へと戻された。





「まぁ……、俺みたいな半端な奴が推薦貰ったりしたらダメだろ」




嫌味とかじゃなく、ホントにそう思う。





半端な形でしか部活に参加してなかった奴が、




好きな女引きずって、真剣にサッカーに向き合って……、




推薦まで取るなんて……都合良すぎるだろ。




自嘲気味に笑って続けた俺に、




「そう言うなよっ」




泰希は困ったように、ぎこちなく笑った。





しばらく無言で歩いていく。




人の出払った校舎は、やたらに静まり返っていた。





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