夏のソラの雪
階段の前に差し掛かったところで、




「なぁ? サッカー部の奴らで打ち上げしようって言ってんだけど……」



下りの階段に足を延ばした泰希が、こう言って俺の顔を窺った。




「……後で行く」





答えて、上りの階段に足を向けた俺に、




泰希はそれ以上何も言わない。




「んじゃ……後でな」





微笑みと一言を残して階段を降りていく泰希と同時に、





俺は階段を一段一段昇っていった。







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