INFATUATOシンドローム 2


─次の日─



璃夢「月城先輩!!」


龍虎「………なんだ」


璃夢「僕とタイマン張ってください!」


龍虎「………今授業中だぞ」


そう、私は外で体育で月城先輩は……スケッチブック持ってるし芸術の授業かな?

まさに授業中なのだ。

まぁ私はトイレ行くために体育抜けてきた帰りなんだけど…。


璃夢「でも会ったら1回は言わないと」


龍虎「義務化させるな」


『はぁ』とため息をついた月城先輩は、私から目線を外し、スケッチブックに向き合った

むぅ……今日ダメかぁ…。やっぱり毎日地道にいかないと!

諦めて体育に戻ろうと思ったが…月城先輩のスケッチブックに描かれている絵を見て足を止めた


璃夢「わぁ!月城先輩、絵上手ですね!」


スケッチブックに描かれていたのは、花壇の花。黒鉛筆だけで描かれており、影も描かれていて…まるでモノクロ写真のようだ。


璃夢「凄いなぁ…なんか風に揺れて動きそう!」


龍虎「っ、お前、やっぱり」


璃夢「?」


龍虎「……昔、妹と絵を描いていた時も同じことを言われた。『すごいね』『なんだか動いちゃいそう』とか言って…目をキラキラさせてたんだ…」




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