INFATUATOシンドローム 2





璃夢「よしっ!じゃあおウチに行こうか。お姉さんも持ってあげるから」


「ありがとう!でも、ぼくもてるよ!」


そう言って買い物袋をもう一度持ち上げた。しかし……。


ビリィッ!!

「あ」

璃夢「あ」


多分ころんだ時に地面で擦れてたんだろう、袋が破けてもう一度中身がぶちまけられた。


「うぅぅううっ、どうじよぉー!!」


えぇ!!ここでは泣いちゃうんだね!?転んでも泣かなかったのに!


璃夢「よしよし泣かないで!お姉さん、エコバッグ持ってるからそれ使おう?ねっ?」


そう言って私はカバンからエコバッグを出して敗れた袋ごと詰め込んだ


「うぅっぐずっふえ〜んっ!」


ど、どうしよう、泣き止んでくれないっ!

私は少年を抱っこしてあやした。


璃夢「ハイハイっ泣かないで!泣いてるとトロピカルレンジャーになれないよ?」


ほら!小さな男の子はレンジャーになりたいものでしょ!?


「っ、」


璃夢「泣き虫なトロピカルレンジャーはヤダなぁ〜。」


「っ!ぼくもう泣いてないよ!」


璃夢「わぁ!ホントだ!強いね!トロピカルレンジャーになれるよ!」


「わぁ〜い!」


ふぅ…とりあえず泣き止んでくれてよかった。あのままだと私が泣かせちゃった悪者になってしまう。

小さい子の涙は偉大だね。


< 412 / 577 >

この作品をシェア

pagetop