目つきの悪いあいつは

〈友人の回想〉


「あ、あの、ユナちゃん。ちょっと来てくれるかな？話したいことがあって…。」



1人、緊張した面持ちの男の子がユナを呼んだ。

ユナは「？」と首を傾げて男について行ったが、私はあれは間違いなく告白だと確信していた。


これは後をつけるしかないと思いバレないように後に続く。


ユナが連れていかれたのは人気が少ない中庭だった。



「あの！前から君のこと気になっていて。可愛いなって！」



中庭に入る扉の前、姿は見えないが声ははっきり聞こえてきたのでここから様子を見ることにした。



「え？本当？ありがとう！」



明らかな告白の前振りだと言うのに、ユナはのんきにえへへと答えている。