目つきの悪いあいつは
一瞬でユナを掴んでいた男が地面に倒れ、彼女はある男の背に隠されるように立っていた。

ユナの混乱したような声と、地面に倒された男の苦しそうな声が混じる。


突然現れた男はユナの腕を掴むと別の扉に向かって歩き出し、そのまま連れ去ってしまった。



〈回想おわり〉


「現れたのはあのリョウタだよ!!もう超興奮した!!」



みんな、おお!!と楽しそうに話しているが、私はあのあと大変だったんだから…。

小さくため息をつき、残りのおかずを頬張りながらあの時のことを思い出していた。
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