目つきの悪いあいつは
気がついた時にユナが見当たらないからびっくりしたよ、とアコが言って笑う。

あんたは集中すると周りが見えなくなるからね、と。


さぁ戻ろうとアコは私が使っていた雑巾を手に取って歩き出した。


ほ、褒められた!

バシッ



「いたっ!」


「誰も褒めてねぇ。喜ぶな馬鹿。」



リョウタに頭を叩かれた…。

お尻の次は頭。



「あの、リョウタ。迎えに来てくれてありがと、ね?」



そう言って彼を見上げると元々鋭い目が少し細められた。

そのままアコに続き歩き出したので私も後を追う。


廊下の窓拭き掃除完了。
< 5 / 14 >

この作品をシェア

pagetop