冷徹騎士団長の淑女教育
(アイヴァン様。私はこの先完璧な淑女として生きることを、あなたに誓いました。私は君主として、誰からも認められる人間になってみせます)
クレアの心に、もう迷いはなかった。
「アイヴァン・ジェイク・クロフォード」
自分のものとは思えないほど、芯の通った声が出る。
「この度の偉大なる功績を称えます」
アイヴァンに授けられるのは、もっとも功績を残した者だけが授与される大紋章だった。肩からかける朱色の布の下では、シルバーで縁取られた星型の勲章が神々しく輝いていた。
クレアは大紋章を、アイヴァンに向けて捧げる。
アイヴァンは頭を垂れ、厳かにその布を肩に受け入れた。
叙勲を終えアイヴァンが顔を上げたとき、至近距離でふたりの目が合う。
そんな状況に陥っても、クレアは一切動揺を見せなかった。
威厳に満ち溢れた王女の笑顔で、目の前のアイヴァンを黙って見据える。
「なんて美しい王女様なんだ。立ち姿にすら、品がにじみ出ている」
「お若いのに、なんて聡明なお顔をなさっているのかしら……! この国の未来が楽しみだわ」
クレアを褒めたたえる声が、あちらこちらから聞こえた。
その声に満足するかのように、クレアの目を見ながらアイヴァンが微笑んでみせる。
「光栄にございます。シャーロット王女」
クレアの心に、もう迷いはなかった。
「アイヴァン・ジェイク・クロフォード」
自分のものとは思えないほど、芯の通った声が出る。
「この度の偉大なる功績を称えます」
アイヴァンに授けられるのは、もっとも功績を残した者だけが授与される大紋章だった。肩からかける朱色の布の下では、シルバーで縁取られた星型の勲章が神々しく輝いていた。
クレアは大紋章を、アイヴァンに向けて捧げる。
アイヴァンは頭を垂れ、厳かにその布を肩に受け入れた。
叙勲を終えアイヴァンが顔を上げたとき、至近距離でふたりの目が合う。
そんな状況に陥っても、クレアは一切動揺を見せなかった。
威厳に満ち溢れた王女の笑顔で、目の前のアイヴァンを黙って見据える。
「なんて美しい王女様なんだ。立ち姿にすら、品がにじみ出ている」
「お若いのに、なんて聡明なお顔をなさっているのかしら……! この国の未来が楽しみだわ」
クレアを褒めたたえる声が、あちらこちらから聞こえた。
その声に満足するかのように、クレアの目を見ながらアイヴァンが微笑んでみせる。
「光栄にございます。シャーロット王女」