冷徹騎士団長の淑女教育
エリックが言っていた”街はずれの孤児院”がどこであるか、クレアは分かっていた。おそらく、以前にアイヴァンがクレアを連れて行ったあの場所のことだろう。
御者に命じてアルメリアの郊外を走らせ、草原を抜ける。アイヴァンの母が眠る墓地を過ぎると、寂れた村が見えてきた。
クレアは村の入り口で馬車を降りると、かつて彼に連れて行ってもらった建物めがけて懸命に走り出した。
そして孤児院の手前にアイヴァンの愛馬が停まっているのに気づくと、ホッと胸を撫でおろす。
孤児院の入り口の手前にあるベンチには、人影があった。
人より大きなシルエット、凛とした佇まい、他人を寄せつけない独特のオーラ。遠目から見ても、それがアイヴァンであることがクレアは一目でわかった。
たまらなくなって、気持ちが昂る。
「アイヴァン様……!」
声を張り上げより駆け足になれば、外れたフードからクレアの金色の髪が零れ落ちた。
髪をはためかせながら、クレアは驚いた顔をしているアイヴァンの胸に真っすぐ飛び込む。
「アイヴァン様……」と呟きながら、クレアはアイヴァンの温もりを全身で感じていた。
戸惑うようにクレアの肩に手を置いたアイヴァンが、「クレア? なぜここに」と彼らしからぬ動揺の声を上げている。
御者に命じてアルメリアの郊外を走らせ、草原を抜ける。アイヴァンの母が眠る墓地を過ぎると、寂れた村が見えてきた。
クレアは村の入り口で馬車を降りると、かつて彼に連れて行ってもらった建物めがけて懸命に走り出した。
そして孤児院の手前にアイヴァンの愛馬が停まっているのに気づくと、ホッと胸を撫でおろす。
孤児院の入り口の手前にあるベンチには、人影があった。
人より大きなシルエット、凛とした佇まい、他人を寄せつけない独特のオーラ。遠目から見ても、それがアイヴァンであることがクレアは一目でわかった。
たまらなくなって、気持ちが昂る。
「アイヴァン様……!」
声を張り上げより駆け足になれば、外れたフードからクレアの金色の髪が零れ落ちた。
髪をはためかせながら、クレアは驚いた顔をしているアイヴァンの胸に真っすぐ飛び込む。
「アイヴァン様……」と呟きながら、クレアはアイヴァンの温もりを全身で感じていた。
戸惑うようにクレアの肩に手を置いたアイヴァンが、「クレア? なぜここに」と彼らしからぬ動揺の声を上げている。