初恋リターンズ。
いや、でも、今から着替えるのちょっとな…
「お兄ちゃんやっぱり…」
…もういない。
私はしぶしぶクローゼットから服を取り出し
ゆっくりと腕を通す。
階段をかけ下りると、
紺色のセーターに、よーくみたらチェック柄のお兄ちゃんお気に入りのパンツを履いていた。
「雫、髪結んできな。お兄ちゃん待ってるから。」
「なんで結ばないとダメなの?
いったいどこに食べに行くの?」
服装は薄い白のブラウスに山吹色のスカートで全然変じゃないはずだし…
髪の毛は別に寝癖なんてついてないのに…
首を傾げていると
私と同じ黒髪をいつもより上手にセットしているお兄ちゃんと目が合った。