初恋リターンズ。
辺りを見回すと
向かいの歩道でお兄ちゃんが手招きしていた。
「置いてかないでよ…!」
「ごめんごめん
見える位置だから大丈夫かなって」
一言あってもよかったじゃん…!
私が頬を膨らますとお兄ちゃんは咳払いをした。
「えー…今日は
ここでご飯をご馳走になります!」
「ここ?!
ここってたしか2ヶ月前引っ越してきた…」
お兄ちゃんが立っているのはお向いの綺麗なおうち。
庭の手入れは行き届いていて、春の花が風で揺れていた。
「わ、私1回も喋ったことないよ…」
「大丈夫だって!
お兄ちゃんに任せろ」
お兄ちゃんはインターホンを押してしまった。