迷子のシンデレラ
5.絡んだ糸、解ける想い

 目が覚めると隣に琉依が寝ていた。
 その奥に葉山。

 琉依を見続けていたのか、琉依の方へ体を向けて腕組みをしたまま眠っている。

 彼に気を許したからと言って琉依のことを任せきりにするなんて、かなり気が緩んでしまったようだ。
 こんなに朝までぐっすり寝たのも本当に久しぶりで、彼の優しさに裏がなかったことに安堵する。

 安心させておいて琉依を連れ去るような騙し討ちをすることもなかった。
 彼は本当に家族になろうとしてくれているのか……。

 琉依はキャッキャ言いながらご機嫌だ。

「夢じゃなかったんだ……」

 突然、彼がやってきて、家族になろうって。
 琉依を見る彼の顔がとても優しくて……。

 思い出すだけで目頭が熱くなって目が潤んだ。

 その時、すぐ近くにあるテーブルの上で携帯がブーッブーッと振動し始めた。
 どうやら葉山の携帯のようだ。

 昨日あれからずっとあやしてくれていたのだろう。
 眠っている葉山は一向に気付かない。

 急用じゃないだろうか。

 よくないと思いつつも、携帯の画面を覗いて目を丸くした。

『葉山周蔵』

 葉山の父親だった。

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