迷子のシンデレラ
「琉依、寝そうだね」
「えぇ。この時間はお腹いっぱいになって、大人しくしてくれるから今のうちにいつもは朝の準備とか……」
葉山は琉依を抱いたまま智美の頬にキスをした。
驚きで声を失うと欲情を隠そうとしない葉山が智美へ迫る。
琉依のどこまでも無垢な表情と、彼とのギャップがあり過ぎて智美は戸惑って彼から距離を取った。
「あ、あの。その。琉依くん寝かせないと」
「そうだね。そうしないと智美ちゃんを抱きしめることもできない」
甘い雰囲気は朝の爽やかな空気と似合わなくて躊躇する。
「あの、朝、ですし」
「けれど今日は土曜だ」
「そう、ですけど……」